子供に読ませたい本 ~読書のすすめ~ 小学三年生・小学四年生

小学3.4年生おすすめ本
本を選んだ基準
  1. 年齢にあったストーリー
  2. 言葉の面白さ言葉の裏側を感じ取り想像力豊かにする
  3. 心に何か残し知識を与える
  4. 絵が場面に相応しく楽しさが自然に伝わってくる
  5. 現時点で購入可能
小学3.4年生の小人

はじめに


 小学校中学年の子どもたちは、好奇心にあふれ広い世界に興味しんしんです。この時期に出会い感じたものは、心が成長していく上で大きな役割を果たします。さらに、子どもたちは自分で本が選べるようになり新しいジャンルを見つけるなど、読者を自分から楽しむことができようになります。そんな子どもたちのために、楽しみ喜んでもらえる本を選びました。「物語1」「物語2」「福祉」「伝記・記録」「歴史・平和」「自然科学」など6ジャンルにわけて紹介しています。本の世界を探検し、好きな一冊を見つけてください。

  •  物 語 1
  •  物 語 2
  •  福 祉 
  •  伝記・記録 
  •  歴史・平和 
  •  自然科学 
あらしのよるに

あらしのよるに シリーズ 1~6 特別編

作/木村裕一 絵/あべ弘士 講談社 1994~2004年

 ごちそうなのに友達?嵐の夜、暗闇で出会ったオオカミとヤギが、喰う、喰われるという、お互いの種族の関係を越え、固い友情を結びます。ハラハラドキドキするスピード感ある展開が楽しめると同時に、意外な結末に心打たれる人気シリーズです。
大どろぼうホッツェンプロッツ

大どろぼうホッツェンプロッツ

作/オトフリート=プロイスラー 絵/トリップ 訳/中村浩三 偕成社 1990年

 おばあさんが大事にしていたコーヒーひきが、大どろぼうホッツェンプロッツにぬすまれました。カスパールは、それをとりもどそうと、なかよしのゼッペルと組んで、大どろぼうのついせきをはじめます。次から次へと、わくわくする話がつまっている、スリルとユーモアたっぷりの冒険物語です。
おばあちゃんのおにぎり

おばあちゃんのおにぎり

作/さだまさし 絵/東菜奈 くもん出版 2001年

 待ちに待った7歳。ぼくの初めての誕生会がもうすぐです。心がはずむ計画が家族みんなで進められます。おばあちゃんも「大好きなものをあげるよ」と言葉がかけられ、期待が大きくふくらみました。そのプレゼントは「おばあちゃんのおにぎり」。素朴な贈り物を通して、子ども心におばあちゃんのあたたかい存在を感じとります。
風切る翼

風切る翼

作/木村裕一 絵/黒田征太郎 講談社 2002年

 ツルの群れ、一羽の幼い鳥がキツネに襲われました。その原因は、体が弱いカララの世話をしていたフルルのせいではないかと、仲間たちはフルルを責めます。一人ぼっちとなり、飛ぶことができなくなったフルルの心は、押しつぶされそうになります。ところが、一羽のツルが群れから舞い降りてきます。人間社会におきかえて考えさせられる一冊です。
火よう日のごちそうはひきがえる

火よう日のごちそうはひきがえる

作/ラッセル・E・エリクソン 絵/ローレンス・D・フィオリ 訳/佐藤涼子 評論社 1988年

 寒い寒い日、ひきがえるのウォートンとモートンは、あたたかい暖炉の部屋で冬ごもり。きれい好きなウォートン、料理好きなモートン、二人はいつも仲良しでした。ある日ウォートンは、モートンの手作り菓子を口にした瞬間、大好きなおばさんへのおすそわけを思いつき地上へ。雪の中で出会うフクロウとの友情のゆくえは・・・?
金色のクジラ

金色のクジラ

作/岸川悦子 絵/狩野富貴子 ひくまの出版 1990年

 白血病という難病に突然おかされた主人公の弟、ゆういち君。悲しみのどん底から、家族みんなが立ちあがり、病気に立ち向かっていきます。お兄ちゃんの励ましで、つらい治療も明るく受け止め、最後は骨髄移植にのぞみ、暖かい春がゆういち君をつつみます。幼い兄弟愛と家族の絆をつづる感動の一冊です。
くまって、いいにおい

くまって、いいにおい

文/ゆもとかずみ 絵/ほりかわりまこ 徳間書店 2000年

 いいにおいのするくまが、森にすんでいました。くまは森のみんなの相談役。くまの毛に顔をうずめて悩みを聞いてもらうと。不思議に心が落ちつくのです。くまはそんな毎日に疲れて、いいにおいを消してしまう薬を飲むのですが・・・。友情と思いやりの大切さに気づく一冊です。登場する動物たちは個性豊かで、ユーモアにあふれています。
グリーン・ノウの子どもたち

グリーン・ノウの子どもたち

作/L・M・ボストン 訳/亀井俊介 評論社 1972年

 イギリスのグリーン・ノウの古い屋敷で大おばあさんと一緒に休暇を過ごすことになった、少年トーリーの不思議な体験を描いたファンタジー。歴史のある大きな家と大おばあさん、子どもの幽霊たちなど、登場するものすべてが魅力的で、過去と現在が入りくむ謎めいた設定に、愛と友情があふれています。
黒ねこのおきゃくさま

黒ねこのおきゃくさま

作/ルース・エインズワース 絵/山内ふじ江 訳/荒このみ 福音館書店 1999年

 ある日、貧しいおじいさんの家に、おなかをすかせ、びしょぬれになった黒ねこが迷いこみました。おじいさんは、すべての食料をねこに食べさせ、休ませてあげます。ねこが去った後は不思議なことが・・・。冬に寒さと孤独感の漂う中に、ねことおじいさんのふれあいが、心をほっとあたためます。
じゅげむ

じゅげむ

作/川端誠 クレヨンハウス 1998年

 念願の男の子を授かった夫婦が、わが子に幸せに育ってほしいと願い、和尚さんに名付け親を頼みます。和尚さんに縁起のよい名前を挙げてもらい、その中から選ぼうとしたのですが、選びきれず全部を名前にしたからたまりません。リズミカルな文章がとても楽しい、落語絵本シリーズ第4弾です。
紳士とオバケ氏

紳士とオバケ氏

作/たかどのほうこ 絵/飯野和好 フレーベル館 2001年

 古い家に一人で暮らす、とってもきまじめな紳士、マジヒコ氏。毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝ることにしています。ところがある日、ちょっとしたまちがいで真夜中に目が覚めてしまいました。するとどうでしょう、この家にはもう一人、だれかが住んでいたのです。それは、なんとマジヒコ氏にそっくりなオバケだったのです。
だいじょうぶだいじょうぶ

だいじょうぶだいじょうぶ

作・絵/いとうひろし 講談社 1995年

 僕が今よりずっと赤ちゃんに近く、おじいちゃんが今よりずっと元気だったころ、僕とおじいちゃんは、毎日のように散歩を楽しんでいました。色々を困ったことやこわいことにであったけれど、おじいちゃんのおまじないがあったからだいじょうぶ。僕はずいぶん大きくなったよ。今度は僕の番だね、おじいちゃん。
チョコレート戦争

チョコレート戦争

作/大石真 絵/北田卓史 理論社 1999年

 みんなが大好きな金泉堂の洋菓子。シュークリームにショートケーキ、どれもこれもおいしそうです。ある日、ショーウィンドーに飾られているチョコレートのお城を見ていたら、突然ショーウィンドーが割れました。僕たちは犯人じゃないのに、ぜんぜん信じてもらえない!どうする?子どもたちと金泉堂の対決が始まりました。
天使のかいかた

天使のかいかた

作/なかがわちひろ 理論社 2002年

 さちの友だちは、みんな動物を飼っています。さちはそんな友だちを、ちょっぴりうらやましく思っていましたが、ある日公園で小さな「天使」をひろいました。でも「天使」ってどうやってかうのかな?何を食べるんだろう?さちは考えながら空き箱でおうちをつくったり、レースのきれはしで服を作ったりします。さちと天使のすてきな暮らしがはじまりました。
トロルのなみだ

トロルのなみだ

作/リン・ストッケ 絵/ハンス・ノルマン・ダール 訳/やまのうちきよこ 偕成社 2001年

 トロルの村では「涙を出してはいけない」というきまりがありました。そこでトリムは、大好きなお父さんが死んだときに残した涙を持ってそっと逃げ出します。マックラ森を抜け、ミドリ山の灰色のアネモネにその涙をかけると・・・。悲しみを癒す涙の秘密をみつけたトロルの男の子の冒険物語。
長くつ下のピッピ

長くつ下のピッピ

作/アストリッド・リンドグレーン 訳/大塚勇三 岩波書店 2000年

 ピッピ・ナガクツシタはとっても元気な女の子。お母さんがいなくても、お父さんが海へふきとばされて帰ってこなくても、人に涙を見せないで、明るく元気いっぱいに生きています。時には、はでなケンカもしたり、がけからおちておなかをうったりするけれど、さりげない思いやりと、底抜けの明るさが私たちを優しく包んでくれます。
なないろ山のひみつ

なないろ山のひみつ

作/征矢かおる 絵/林明子 福音館書店 2002年

 さちは、なないろ山のふもとにすむ女の子。山を少し登ったところに、大好きなおばあさんの家があります。ある日、なないろ山のてっぺんから赤い光が出ているのをみつけました。胸騒ぎがしておばあさんの家に行ってみると、苦しそうに胸をおさえたおばあさんの姿がありました。「山がたいへんなことになった。」さちは、おばあさんのかわりに山を助ける旅に出ます。
南総里見八犬伝 1 妖刀村雨丸

南総里見八犬伝 1 妖刀村雨丸

原作/滝沢馬琴 編著/浜たかや 画/山本タカト 偕成社 2002年

 江戸時代に出版され、現代の中・高校生にも人気の長編ファンタジー。安房国、里見家の姫の魂から生まれた8つの珠を持つ八犬士が、様々な困難を乗りこえ、出会いと別れをくり返しつつ、里見家の危機に立ち向かいます。第1巻は、物語の発端となった出来事と八犬士の一人、犬塚信乃が持つ妖刀「村雨丸」をめぐる騒動を描きます。
ニングルの森 悠久なるものへ

ニングルの森 -悠久なるものへ-

著/倉本聡 画/黒田征太郎 集英社 2002年

 北海道の森の奥に住んでいるニングルという少数民族は、森とともに生き自然の中で暮らしています。その森にやってきた「人間」という生き物は、森を切り払い、山の獣を殺し、お金という物を大切にしているおかしな生き物でした。ニングルたちの目から見た人間社会は、こんなにも不思議でこっけいなのかと、改めて日々の暮らしを考えさせられる物語です。
100万回生きたねこ

100万回生きたねこ

作・絵/佐野洋子 講談社 1977年

 100万年も死なないねこは、100万回も死んでまた生き返ります。100万人の人がかわいがり、死ぬ度に飼い主たちは泣きました。でもねこは、一回も泣きいませんでした。ところが、白いねこを愛し、こねこも生まれ、幸せいっぱいの暮らしの中で、ねこは初めて命の大切さに気づきます。本当の愛について描かれている、奥の深い作品です。
ふしぎなかぎばあさん

ふしぎなかぎばあさん

作/寺島悠介 絵/岡本颯子 岩崎書店 1978年

 広一はかぎっこです。今日は算数のテストが35点で大ショック。おまけに学校から帰って、家のかぎがないことに気がつきます。困りはてた広一のところにやってきた不思議な「かぎばあさん」は、おいしい料理を作ってくれたり、紙芝居を見せてくれたり・・・。温かくってほっとして、おまけにおなかもすいてくる「かぎばあさん」シリーズ、最初のお話です。
冥界伝説・たかむらの井戸

冥界伝説・たかむらの井戸

作/たつみや章 絵・広瀬弦 あかね書房 2003年

 井戸の伝説を聞き、「冥界」という死後の世界を知った悟は探検に行きました。すると、冥界に帰れないおばけ「たかむらくん」と出会いました。悟とたかむらくんの友情の一日を描いた、ワクワクするファンタジーです。一気に読める楽しい本です。
ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ

作/斉藤洋 絵/杉浦範茂 講談社 1987年

 ルドフルは、ある日思いもかけず東京に来てしまいました。そして、そこのボス猫「イッパイアッテナ」と出会い、とびきりゆかいなノラ猫生活が始まったのです。猫同士、または人間との愛情を味わうことのできる一冊です。
わすれられないおくりもの

わすれられないおくりもの

作・絵/スーザン・バーレイ 訳/小川仁央 評論社 1986年

 まわりの誰かからも慕われていたアナグマは、年をとって死んでしまいました。かけがえのない友を失ったみんなは、悲しみをどう乗り越えていくのでしょう。つらい冬を過ごし、やがて春になり、みんなはアナグマがすてきなプレゼントを残してくれたことに気づきます。友人同士のあり方や人間の生き方を、静かに語りかけている感動的な絵本です。
わたしのいもうと

わたしのいもうと

文/松谷みよ子 絵/味戸ケイコ 偕成社 1987年

 ほがらかな4年生だった妹は、転校した学校でいじめられています。妹はひとりぼっちになって、登校しなくなり、心を閉ざします。ひとり部屋でつるを折り続け、やがて死んだ妹のメモには「わたしをいじめた人たちは、もう、わたしを、わすれてしまったでしょうね」と、書いてありました。最後まで悲しく、とても考えさせられる、実話をもとにしたお話です。
えがお、ときどき涙

えがお、ときどき涙

著/田村章 旺文社 1999年

 体に障害を持った人々が懸命に生きる姿を描いたノンフィクション。ささいな動きでもすぐに骨折してしまう骨形成不全症の少女。オリンピック開会式で健常者と共に踊った盲目の少女。体にハンディを持つ子どもたちの心の強さと、それを支える人々の温かさは、読み手にも生きる力を与えます。
黄色いハンカチを見たら手をかしてください

黄色いハンカチを見たら手をかしてください

文・絵/葉祥明 PHP研究所 1999年

 困った時、どんな人も皆、誰かに手を貸してほしいと願います。お年寄りや障害を持った人はなおさらのこと。「黄色いハンカチ」は、そんな心の叫びを多くの人たちに知ってほしいと、助けを求めるサインとして作られました。一人の人間として、生きていく上で必ず知らなければいけない「ハンカチ」の意味を、優しい言葉と絵でじっくりと伝えてくれます。
「こころ」を伝えるボランティアの本

「こころ」を伝えるボランティアの本 4
まちがいだらけのボランティア

著/田中ひろし 光村教育図書 2002年

 「ボランティア」って本当は何なんだろう?あなたの「ボランティア」は、それであっているのかな?何気なく行っているボランティアの「「間違い」について考えてみませんか?ボランティア活動に取り組む子どもたちの疑問や、喜びの気持ちを描いて、ボランティアの「こころ」を伝えるシリーズです。
さよならエルマおばあさん

さよならエルマおばあさん

写真・文/大塚敦子 小学館 2000年

 夏のおわり、エルマおばあさんはお医者さんから「病気で、もう長くは生きられない」と言われます。けれども、おばあさんは、けっして悲しんだり、おそれたりせずに、「旅に出る」準備を始めました。この本は、おばあさんの愛猫「スターキティ」の目を通して語られるおばあさんの「命を生きた」記録です。
さよならサティルン

さよならサティルン
-盲導犬の里親になった子どもたち-

文/滝田よしひろ 小学館 1999年

 盲導犬の里親として、1年間にわたり世話をした2年1組の子どもたちの記録です。目が丸く、けがふさふさで、たら~んとした耳のサティルンに、子どもたちはたちまちとりこになりました。盲導犬サティルンと子どもたちの、笑いあり、涙ありの心あたたまる感動の一冊です。
スマッジがいるから

スマッジがいるから

作/ナン・グレゴリー 絵/ロン・ライトバーン 訳/岩元綾 あかね書房 2001年

 ある雨の日、シンディは、子犬を拾います。ところが、彼女のいるホームでは、動物を飼うことができません。彼女は自分が働いているホスピスに子犬のスマッジを連れていきますが、ホームの人にみつかり、スマッジは保健所へと連れていかれます。スマッジを通して、ホスピスの人たちの心の交流を描いた感動的な絵本です。
太朗くんは背番号1

太朗くんは背番号1

作/清水久美子 絵/斎藤正光 騒人社 2001年

 太朗くんは、もうすぐ1年生というときに「神経芽細胞腫」という難病にかかってしまいます。病気を治すために、つらい治療にじっと耐える太朗くんに、お母さんは、何かワクワクすることをさせてあげたいと考えます。それは、「メイク・ア・ウィッシュ」というボランティア団体に太朗くん「夢」をかなえてもらうことでした。
チャーリー・ブラウンなぜなんだい?

チャーリー・ブラウンなぜなんだい?

作/チャールズ・M・シュルツ 訳/細谷亮太 岩崎書店 1991年

 ジャニスは白血病になりました。白血病とは、血液のガンのことです。もし、友達や家族がこのような重い病気になったら、その気持ちをどれくらいわかってあげれるでしょうか?弱い人の心の痛みを感じることができるように、一つ一つ言葉をゆっくり読んでください。
点字どうぶつえん

点字どうぶつえん

絵/菊池清 同友館 2000年

 この本に出てくる動物たちには、小さな点がいくつもかくされています。これは何のためのものでしょう?実は、点が動物に名前を表す文字になっているのです。目の不自由な人たちが使う「点字」を、このようなかたちで絵の中に取りこんであります。子どもたちが楽しみながら読み、点字の存在に気づくことができる絵本です。
ドーンさんのいえ

ドーンさんのいえ

文/香川直子 絵/竹内永理亜 英文/宗景なつ子 エピック 2002年

 母親からエイズに感染したケイティは、親戚の家と病院を転々としていました。ある日、ケイティは里親をしているドーンさんの家に預けられます。今まで誰にも抱かれたことがなったため、人に触られることを拒むケイティ。しかし、ドーンさんや周りの人たちのあたたかさに触れ、心をほぐしていきます。豊かな人生とは何か、そっと語りかけてくれる絵本です。
はじめてみんなとかえった日

はじめてみんなとかえった日

文/いながきようこ 絵/ふじたひおこ 偕成社 2000年

 はるなちゃんは、生まれてから少しの間、脳に酸素がいかなかったため、手と足にマヒが残っています。小学校に行くため、足の手術をうけ、はるなちゃんは1年生になりました。歩行器をつけて友だちと元気に遊びます。はるなちゃんと1年3組のなかまのキラキラした1年間を、とびっきりの笑顔とともに届けます。
はせがわくんきらいや

はせがわくんきらいや

著/長谷川集平 ブッキング 2003年

 僕は、はせがわ君がきらいです。はせがわ君といたらおもしろくないし、何してもへただし、鼻はたらすし、すぐ泣くし。はせがわ君と一緒におったら、しんどうてかなわんわ。乳児の頃、森永乳業のヒ素ミルクを飲んだ著者が、幼少の頃のこと、旧友のこと、学童保育クラスの子どもたちのことを思い出しながら描いた絵本です。
ふしぎふにゃふにゃフランケン

ふしぎふにゃふにゃフランケン

作・絵/立花尚之介 岩崎書店 1995年

 僕の保育園の先生、別名「フランケン」は、ごはんを食べる時、手がふるえてこぼしてしまったり、歩く時もふにゃふにゃ歩いたりします。そして、手のかわりに足でお絵かきします。これにはみんながびっくりしました。「この病気うつるの?」と僕たちがきいたら、フランケンは赤ちゃんだった時の頭の中のケガの話をしてくれました。
プレゼント

プレゼント

文/おとたけひろただ 絵/さわだとしき 中央法規出版 2000年

 「ボクだって、みんなといっしょにやりたいよ」強い信念が障害を乗り越えます。主人公「ゆうた君」が、健常者と共に過ごした小学校での数々の体験やいくつかの試練をステップに、強い人間として成長していく様子を、クラスメートの友情、先生とのふれあいを通してあたたかく描いた感動のノンフィクションです。
ぼくのお姉さん

ぼくのお姉さん

著/丘修三 絵/かみやしん 偕成社 1986年

 ダウン症のお姉さんは、17歳。しゃべる言葉は、赤んぼうのよう。家族にしか聞きとれないひとことひとことの中には、いつも家族が思う優しい気持ちがありました。しかし、弟の正一は、そんなお姉さんを素直に受け止めることができませんでした。障害をもった子どもを持つ家族の心、生き方を問う一冊です。
ママが風になれたら

ママが風になれたら
-重度障害者の私のねがい-

著/岸川悦子 ポプラ社 1999年

 重度障害者であるママの仕事は「生きること」。障害を持っていても「風になりたい」という大きな夢を持って、ママは一人旅に出かけます。そこで、多くの人のやさしさに出会い、たいへんな事件もおこります。ママと家族の自然な姿やなにげない会話は、私たちに「共に生きること」の大切さを教えてくれます。
みえないってどんなこと?

みえないってどんなこと?

写真・文/星川ひろ子 岩崎書店 2002年

 目が見えないめぐみさんが、児童館にやってきました。「みえないってどんなこと?」こんな疑問を持ちながら、子どもたちはアイマスクをして実際に体験します。自分自身が体験することで、障害を持つ人への接し方を学んでいきます。また、盲導犬の役目やシャンプーのパッケージの表示の工夫についても説明しています。やさしい語り口の写真絵本です。
盲導犬クイールの一生

盲導犬クイールの一生

写真/秋元良平 文/石黒謙吾 文藝春秋/刊 2001年

 ラブラドール・レトリバーの子犬は、わき腹のカモメの模様にちなんで「ジョナサン」と名付けられました。ジョナサンは、生後43日で生まれ育った水戸さんの家を離れ、パピウォーカーの仁井さんの家へ・・・。その後、名前も「クイール」となり、立派な盲導犬となるよう訓練センターへと預けられます。盲導犬クイールの生涯をモノクロの写真と共につづった感動的な作品です。
夢はいのち

夢はいのち
-病気の子どもたちとメイク・ア・ウィッシュ-

作/清水久美子 騒人社 2001年

 「メイク・ア・ウィッシュ」とは、英語で、「願いごとをすること」という意味です。難病と闘ってる子どもたちの「夢」をかなえる活動を行っています。そして、この文を読んでいる「きみ」にも応援することができます。少し考えてみませんか?自分以外の誰かのことを。
よーいどん!

よーいどん!

著/赤塚不二夫 小学館 2000年

 ニャロメやチビ太たちとマラソンゲームを楽しみながら進む点字絵本です。絵と字の全てを点字で表記しており、目に障害を持つ人と、そうでない人が共に楽しめる絵本になっています。点字あいうえお表もついており、遊びながら自然に学ぶことができます。同じシリーズの『ニャロメをさがせ』もおすすめです。
ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜

ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜

文/バーバラ・ケアリー 絵/ブライアン・セルズニック 訳/千葉茂樹 光村教育図書 2003年

 小さい歯や骨のかけらから、大きな大きな恐竜の模型を作る。ウォーターハウス・ホーキンズはそんな仕事をした人です。時にはつらい妨害がありますが、彼の作った恐竜はたくさんの人々を驚かせ、喜ばせました。天才芸術家の、夢あふれる人生に誘いこまれる絵本です。
海くん、おはよう

海くん、おはよう

著/西原理乃 新日本出版社 1999年

 海くんは、超重度障害児と言われています。けれどみんなにとってかけがえのない存在です。朝を迎えられるというのは、決してあたりまえのことではないのです。だからこそ、毎日を一生懸命に生きている海くんの姿を通じて、命のすばらしさを感じます。
かぎりなくやさしい花々

かぎりなくやさしい花々

著/星野富弘 偕成社 1986年

 星野さんは、不慮の事故から、脊髄損傷、全身麻痺となりながら、どん底から様々な困難に立ち向かいました。そして、自分の生きる糧をつかみ取ったその手法。それは、口で筆をくわえることでした。初めに書いた「ア」の文字から、生きる信念、命の尊さを感じとります。星野富弘の感動の記録が今、優しく詩の世界となって語りつがれます。
キング牧師の力づよいことば

キング牧師の力づよいことば

文/ドーリン・ラパポート 絵/ブライアン・コリアー 訳/もりうちすみこ 国土社 2002年

 人種差別に愛と勇気をもって立ち向かったキング牧師。その勇敢な姿が、心あふれる優しい言葉となって一冊の本となりました。正しいと思うことは信念をもって訴え、貫き通し、やがて一人の勇気は世界中を動かしていきます。夢や希望の光を求めて、命がけで問うキング牧師の最後の言葉がいつまでも心に響きます。
五体不満足

五体不満足

著/乙武洋匡 講談社 1998年

 身体障害者という言葉を聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょうか?かわいそうな人、なんて思ってはいませんか?乙武さんなら、きっと笑いながら「そう感じる君のほうが、かわいそうだよ!」ということでしょう。体の障害は、体の特徴、例えば「背が高い、低い」「やせている、太っている」ということと変わらないのだと、この本には書かれています。
とどまることなく

とどまることなく

作/アン・ロックウェル 絵/グレゴリー・クリスティー 訳/もりうちすみこ 国土社 2002年

 9歳の時に奴隷として売られ、20年余り奴隷生活を送ったイザベラは、ある日、ワーグナー夫妻に助けられ聖書を法律を学び、奴隷として売られた息子ピーターを裁判で取り戻します。その後もアメリカ各地で自らの奴隷生活を人々に語り、奴隷解放へと導かれました。強い意志と信念を持ったイザベラの姿が画面いっぱいに描かれ、とても迫力ある絵本です。
野口健 -最高峰でつかんだ未来-

野口健 -最高峰でつかんだ未来-

著/綾野まさる 旺文社 2000年

 ヨーロッパ大陸モンブラン、アメリカ大陸キリマンジャロ、オーストラリア大陸コジアスコ、南アメリカ大陸アコンカグア、北アメリカ大陸マッキンリー、南極大陸ビンソン・マッシーフ、そして、アジア大陸エベレスト!世界最年少で7大陸すべての最高峰に登ってしまったすごい男。自分の信じる道を進み、夢をかなえた野口健の冒険物語です。
野口英世

野口英世

文/浜野卓也 ポプラ社 1998年

 野口英世は病気をひきおこす細菌を研究したお医者さんです。努力家でお母さん思いの人でしたが、欠点もなかったわけではありません。そんな彼の、ありのままの生涯を教えてくれる読みやすい伝記です。また、巻末の「ものしりガイド」では、写真やクイズを楽しみながら、もっと英世を知ることができます。
光りをかかげた人たち

光りをかかげた人たち 1

編・著/西本鶏介 絵/狩野富貴子 ポプラ社 2001年

 「偉人」とは、特別な人ではありません。自分の信じた道を歩くために努力し、夢を追い続けた結果、ひとつの偉大な仕事をなしとげた普通の人なのです。そんな偉人たちの一生から心に残るエピソードを集め、わかりやすくまとめました。全3巻で87人の人物をとりあげています。これから伝記を読む子どものための入門書としておすすめです。
マザーテレサ -ほんとうの愛-

マザーテレサ -ほんとうの愛-

作/綾野まさる 画/日高康志 ハート出版 2003年

 貧しい人たちや、しいとげられた人々に愛をふりそそいだマザー・テレサ。彼女がどの国に生まれ、育ち、なぜ貧しい人たちのために一生をささげたのか、87年の生涯をかけて、私たちに問いかけた「ほんとうの愛」とは何か、その生き方を伝えます。
ミレーとコロー -絵本画集-

ミレーとコロー -絵本画集-

博雅堂出版 2003年

 農家に生まれ、農業を手伝い大きくなったミレーは、幼い頃から絵が大好きでした。彼が作品に、働く人々や農民、動物たちを描いているのは、こうした経験がもとになっています。一方、裕福な家庭に育ったコローは、幼い頃から得意としていた絵で画家となる夢が捨てられず、26歳で画家となります。風景画家としてありのままの自然を描き、生涯絵を描き続けました。
レイチェル・カーソン

レイチェル・カーソン

著/ジンシャー・ワズワース 訳/上遠恵子 偕成社 1999年

 殺虫剤・除草剤などの農薬が、環境や生き物に危険な影響を与えることを、世界で初めて警告する本『沈黙の春』を書いた、科学者レイチェル・カーソンの生涯を描いた伝記です。少女時代に作家をめざし、海洋生物学者として研究をしながら本を書いたことから、『沈黙の春』を書いた理由、その大きな反響までを、たくさんの写真とともに伝えるカーソン入門書です。
レーナ・マリア物語

レーナ・マリア物語

作/レーナ・マリア 作/遠藤町子 金の星社 1993年

 レーナ・マリアの体の障害を気にせずに、力強く生きている姿に感動します。写真とともにつづった物語で、彼女の頑張りや前向きな生き方に勇気づけられる一冊です。
アンネ・フランクものがたり -かくれ家の少女-

アンネ・フランクものがたり
-かくれ家の少女-

作/ヨハンナ・ハルウィツ 絵/高田勲 訳/斉藤美加 解説/早乙女勝元 金の星社 1990年

 第2次世界大戦中、少女アンネは、ユダヤ人という理由でナチスから迫害を受け、隠れ家で2年間を過ごした後、収容所で亡くなりました。この本は、自由を奪われながらも希望を失わなかったアンネと、彼女が隠れ家で書きつづった日記のことを紹介した本です。『アンネの日記』(文芸春秋)や、彼女の生涯を写真でたどる『アンネ・フランク』(平和のアトリエ)も一緒に読んでみましょう。
エジプトのミイラ

エジプトのミイラ

文・絵/アリキ 訳・神鳥統夫 あすなろ書房 2000年

 大昔、古代エジプトの人たちは何のために、どういう方法でミイラを作ったのでしょう?彼らは、「人が死んでも魂は永遠に生きている」と信じていました。これらのミイラを研究することで、当時の技術や文化など、様々なことがわかってきました。世界各地でいろいろなミイラが発見されていますが、エジプトの「ミイラ作り」の不思議にせまる絵本です。
絵で見るある町の歴史

絵で見るある町の歴史

文/アン・ミラード 絵/スティーブン・ヌーン 訳/松沢あさか 訳/高岡メルヘンの会 さ・え・ら書房 2000年

 川のほとりの小さな集落の町の様子を、石器時代から現在まで、14の時代にスポットを当て、取り上げている歴史絵本です。人々の暮らしぶりや建物の内部、服装など時代の変化も興味深く写し出されています。また、各時代に紛れ込んでいつタイムトラベラーを探すのもとても楽しいです。
絵で見るナイル川ものがたり

絵で見るナイル川ものがたり

文/アン・ミラード 絵/スティーブン・ヌーン 訳/松沢あさか さ・え・ら書房 2004年

 世界最長の川、「ナイル川」の源流からその河口までを、時と川の流れにそって旅をして見ませんか?エジプトの人々の生活や習慣、ピラミッドなどの建物が、細かいイラストでユーモアいっぱいに描かれています。何度読んでも新しい発見と驚きがある、子どもから大人まで一緒に楽しめる大型絵本です。
絵で見る日本の歴史

絵で見る日本の歴史

作/西村繁男 福音館書店 1985年

 10万年以上前の氷河期時代から現在までの日本の歴史を、大きな絵でわかりやすく説明した本です。ここには稲刈りをする人、ここには荷車をひく人・・・と、隅々まで描かれた絵によって、それぞれの時代の暮らしぶりが自然に理解できます。この国にはどんな人が生きてきたのでしょうか?じっくりと見たい一冊です。
絵で読む広島の原爆

絵で読む広島の原爆

文/那須正幹 絵/西村繁男 福音館書店 1995年

 絶対に忘れてはいけない日本の歴史のひとつに、「戦争」があります。その悲惨な出来事は、ともすれば時間の流れの中に消え、語ることなく忘れ去られてゆきます。この本は、広島の原爆を忠実に子どもたちに伝え、核兵器の恐ろしさや被爆の怖さ、そして何よりも大切な「平和」とは何かをわかりやすく説明しています。大人にも子どもにも戦争を語る大切な一冊として紹介してほしい本です。
江戸のくらしがわかる絵事典

江戸のくらしがわかる絵事典

PHP研究所 2003年

 江戸時代の人々がどんな暮らしをしていたか、絵で描いて紹介し、わかりやすく解説した事典です。食事やお やつから、料理に使う道具、明かりの道具、お金、子供たちのおもちゃ、武士や農民、商人、など身分・職業別の着物や髪型まで、180点を紹介しています。江戸時 代について調べる時に役立つ一冊です。
絵本東京大空襲

絵本東京大空襲

作/早乙女勝元 絵/おのざわさんいち 理論社 1980年

 1945年3月10日、米軍の爆撃機B29が東京を襲いました。炎の夜の恐怖を、ようやく生きのびた作家と画家が描いた本です。東京も戦争で焼け野原になったことがあるのです。私たちは、多くの人に戦争の恐ろしさや悲しさを伝えていかなければなりません。
おとなになれなかった弟たちに・・・

おとなになれなかった弟たちに・・・

作/米倉斉加年 偕成社 1983年

 戦争では、たくさんの人が死んでしまいます。空襲だけでなく、飢えで、女性、老人、幼い子どもなど弱い人から死んでしまうのです。この本に登場する10歳の少年は、赤ん坊だった弟の大事なミルクを盗み飲みし、弟は栄養失調で死んでしまいます。人々を苦しめ、悲しませる、恐ろしい戦争を子どもの目線で描いています。
おにいちゃん、死んじゃった

おにいちゃん、死んじゃった

詩/谷川俊太郎 教育画劇 2004年

 日本国際ボランティアセンターの佐藤さんがイラクを訪れた時、子どもたちが元気に絵を描いてくれました。子どもたちは、大きな夢を描きました。「戦争で子どもたちの夢を壊さないでほしい…」そんなメッセージを込めて詩がつけられています。
彼の手は語りつぐ

彼の手は語りつぐ

文・絵/パトリシア・ポラッコ 訳/千葉茂樹 あすなろ書房 2001年

 少年がひとり、戦争に行く。そして、またひとり・・・。アメリカで奴隷制度廃止をめぐる南北戦争がありました。戦争終結までに18万人もの黒人が戦場へ行きました。同じアメリカ人同士で争うこの戦争のさなか、文字が読める黒人のピンクスと、文字が読めない白人のシェルダンは出会います。彼らの友情と悲しい別れを描いた本当の話です。
地雷ではなく花をください -サニーのおねがい-

地雷ではなく花をください
-サニーのおねがい-

文/柳瀬房子 絵/葉祥明 自由国民社 1996年

 戦争は、様々な形で、今も私たちを苦しめています。そのひとつに恐ろしい「地雷」があることをこの本は伝えます。まだまだ平和が訪れないこの地球。罪もないあらゆる生き物に容赦なく苦しみを与え、命を奪う「地雷」の恐怖。平和を願う著者が、「地雷を撤去する」ことを子犬のサニーとともに心を込めて願います。
杉原千畝物語 -命のビザをありがとう-

杉原千畝物語 -命のビザをありがとう-

著/杉原幸子 著/杉原弘樹 金の星社 1995年

 第二次世界大戦のさなか、リトアニアの領事代理になった杉原千畝は、迫害されたユダヤ人を救うために、日本を通過することができるビザを発給し続けました。外務省の命令にそむいても、自分の意思で6千人の命を救った千畝の一生を、彼の妻と息子がつづった愛と感動のノンフィクションです。
せかいいちうつくしいぼくの村

せかいいちうつくしいぼくの村

作・絵/小林豊 ポプラ社 1995年

 アフガニスタンという国が、どこにあるか知っていますか?とても美しい国です。でも戦争のために500万人もの人が、住みなれた村を離れて暮らしています。この国がどのような歴史があり、今はどのような状況におかれているのか、関心を持ってみてください。 『ぼくの村にサーカスができた』 『せかいいちうつくしい村へかえる』 『ぼくは弟とあるいた』も読んでください。
中世に城日誌 -少年トビアス、小姓になる-

中世に城日誌 -少年トビアス、小姓になる-

文/リチャード・プラット 絵/クリス・リデル 訳/長友恵子 岩波書店 2003年

 この本は、13世紀のイギリス、おじさんの城で住み込みの小姓として修業をする11歳の少年、トビアス・バージュスの日記です。季節のうつりかわりの中で、様々にくり広げられる城の行事と人々の生活が、少年トビアスの眼を通していきいきと描かれています。その時代の様子が、細かいところまで絵と文で再現され、大人が見ても楽しめる一冊です。
土の中からでてきたよ

土の中からでてきたよ

文・写真/小川忠博 平凡社 2004年

 「ヒゲは、もじゃもじゃ、えんとつ頭。」こんなリズミカルな文と、土器の写真でこの本は始まります。ページをめくると、5000年前の時代の土の中から、出てくる出てくる、いろんなものが!いきいきとした縄文時代を想像して、楽しくなってしまいます。歴史に興味を持つきっかけを与えてくれる、ユーモラスな写真絵本です。
ハンナのかばん -アウシュビッツからのメッセージ-

ハンナのかばん
-アウシュビッツからのメッセージ-

著/カレン・レビン 訳/石岡史子 ポプラ社 2002年

 第二次世界大戦中、ユダヤ人虐殺で13歳の生涯を終えたハンナ・ブレディ。この少女が残した「かばん」を手がかりに、一人の日本人女性がハンナのお兄さんを見つけ出します。ハンナがどんな少女だったのか、彼女に何があったのか、次第に明らかになります。ユダヤ人であるために尊い命を失ってしまったハンナ。「このようなことが二度と起こらないでほしい」という平和への願いが伝わってきます。
ぼくの見た戦争 -2003年イラク-

ぼくの見た戦争 -2003年イラク-

文・写真/高橋邦典 ポプラ社 2003年

 アメリカ軍海兵隊の兵士たちと行動を共にした日本人カメラマンが、イラク戦争を取材したドキュメントです。身近に見る兵士たちの素顔を写し出しながら、人間同士が殺し合う戦争の悲惨さを訴えています。戦争は「絶対なる悪」であるという著者のメッセージが聞こえてくる一冊です。
まっ黒なおべんとう

まっ黒なおべんとう

作/児玉辰春 絵/北島新平 新日本出版社 1989年

 広島に落とされた原子爆弾で、20万人もの人が死んでしまいました。主人公のしげるくんが通っていた中学校では生徒と先生、351人が命を失いました。将来を思い、夢を描いていたしげるくんの残念な気持ち、しげるくんの成長を楽しみにしていたお母さんの悲しい気持ちを、この作品を読んで感じてみてください。そして、平和の大切さを考えてみましょう。
赤ちゃんの誕生

赤ちゃんの誕生

文/ニコル・テイラー 写真/レナルト・ニルソン他 訳/上野和子 あすなろ書房 1996年

 だんだん大きくなるママのお腹の中で、どうやって赤ちゃんは育っているのでしょう??誰もが経験してきたけれどなかなか知ることができない、受精から赤ちゃんの誕生までを、最新の写真技術で見事に記録した写真絵本です。「自分はこうして生まれてきたんだな」と、命の神秘を改めて実感することができます。これから赤ちゃんを持つ夫婦や、妊婦さんにもおすすめです。
アマガエルとくらす

アマガエルとくらす

文/山内祥子 絵/片山健 福音館書店 2003年

 「おや、こんなところにカエルが」台所の流しにいた一匹のアマガエルが、毎年、同じ時期に家にやってくるようになりました。そのうち、手から直接、ハエを食べるようになって…。14年以上もの日々を、家族の一員のようにアマガエルと暮らした作者の、愛情あふれる観察記録を、ほのぼのとしたイラストでつづった一冊です。
ウンチのてがみ

ウンチのてがみ

文・写真/石原誠 大日本図書 2003年

 高原牧場の周りには、たくさんのシカが暮らしています。シカのウンチは黒いつぶのウンチで、このウンチを割ってみると牧草や木の皮の消化できない繊維が残っています。この繊維から、はがきだって作ることができます。ウンチを調べることで、動物を知り、いろいろな情報を読みとることの楽しさを教えてくれます。
絵ときゾウの時間とネズミの時間

絵ときゾウの時間とネズミの時間

文/本川達雄 絵/あべ弘士 福音館書店 1994年

 どの動物も、一生の間に心臓は15億回打ちます。ゾウはネズミよりずっと長くいきますが、一生の間に心臓が打つ回数はゾウもネズミも同じなのです。小さい動物は短い一生を終え、大きい動物は心臓の動きも肺の動きもゆっくりになるため、長い一生を生きていくのです。動物によって「時間」というものがそれぞれ違うことがわかり、興味を持てる一冊です。
オーロラのひみつ

オーロラのひみつ

文/上出洋介 絵/つだかつみ 偕成社 2002年

 オーロラはとても神秘的な自然現象です。しかし、オーロラがなぜ出るのか、長い間の謎でした。この謎解きに挑戦した著者は、ついに秘密を解き明かすことに成功します。オーロラの中には巨大な電流が流れていること、場所や時間によってオーロラの種類が違うことなど、研究という苦労や難しさ、おもしろさも教えてくれます。
落としたのはだれ?

落としたのはだれ?

文/高田勝 写真/叶内拓哉 福音館書店 1994年

 小学校5年生のつよしは、林の中できらりと光る鳥の羽を拾います。「落としたのはだれ?」その羽の持ち主はどんな鳥だろうと、次から次へ疑問がわいてきます。林で出会ったお兄さんの助けもあり、1枚の鳥の羽から鳥の構造や種類、落とした時の状況などがわかりました。推理をしながら自然観察に興味がわく本です。
クジラも海でおぼれるの?

クジラも海でおぼれるの?
-なるほど動物形態学-

著/加藤由子 絵/熊谷さとし 偕成社 2003年

 「動物はお風呂にはいらないの?」「アフリカは、動物のウンチでいっぱいにならないの?」「ゾウの鼻は、じゃまじゃないの?」 子どもたちの疑問に、動物行動学の専門家の著者がわかりやすく答えてくれます。知らなかった動物の世界が、この一冊で大きく広がります。
しょうたとなっとう

しょうたとなっとう

文・写真/星川ひろ子 文・写真/星川治雄 原案・監修/小泉武夫 ポプラ社 2003年

 しょうたは、なっとうが大嫌いです。一度食べた味が忘れられません。しかし、しょうたはおじいさんと「なっとうはよ、まほうの食べ物だかんな」と大豆を大切に育てます。その大豆はやがて、こことのこもったなっとうになりました。今まで、なっとうを食べることができなかったしょうたが、おじいさんとの交流を通して、なっとうができるまでを知る写真絵本です。
雑木林のコレクション

雑木林のコレクション

著/今森光彦 フレーベル館 2002年

 みんなで雑木林に行ってみましょう。そこは、美しい自然の美術館です。花や落ち葉や木の実だけでなく、羽、つの、虫のぬけがら、動物たちの足あとなど、よく目をこらさないとわからない、小さな宝物がいっぱいです。春夏秋冬、いろいろな顔を見せる雑木林で、皆さんも自分だけのコレクションをつくってみましょう。
台風のついせき竜巻のついきゅう

台風のついせき竜巻のついきゅう

作/かこさとし 小峰書店 2001年

 巨大な風のうずまき「台風」と「竜巻」のしくみをイラストつきで解説した本です。まず、風がおこる理由から始まり、台風や竜巻が、どこで、どのように発生するのか、どの地域を通り、どんなエネルギーを持ち、どんな被害をもたらすのか、予防対策はあるのか、詳しく追及します。
ダンゴムシ

ダンゴムシ

文・写真/今森光彦 アリス館 2002年

 手でさわると、ころころ転がるダンゴムシ。小さい頃、誰でも興味をもったダンゴムシの生態が、物語の始まりのように優しく解説されていきます。特に、本いっぱいに広がる拡大写真は、肉眼では見逃してしまいそうな部分も分析でき、子どもたちの興味を引きつけます。今までにない、ストーリー性を感じる観察絵本です。
土のコレクション

土のコレクション

著/栗田宏一 フレーベル館 2004年

 「えっ、これ土なの?」と、びっくりします。土のイメージからとても象像できないカラフルな土の山。日本全国の土が細かく紹介されています。全部集めると、まさに「土のコレクション」。土から学ぶたくさんの不思議、再発見があり、楽しく知識が身につきます。友達と一緒に実験したくなる本です。
ドキドキワクワク生き物飼育教室

ドキドキワクワク生き物飼育教室 1~6

作・絵/アトリエモレリ リブリオ出版 2001年

 生き物が生まれ、成長していく様子がとても詳しく書かれている本です。丁寧なイラストや説明には、身近な生き物を飼育し、観察するのに必要な知識がたっぷり詰まっています。生命の不思議を間近で学ぶ時、この本は大きな助けとなってくれることでしょう。シリーズで取り上げている生き物は、アゲハ、ザリガニ、カエル、カイコ、メダカ、ホタルの6種類です。
鳥の巣の本

鳥の巣の本

著/鈴木まもる 岩崎書店 1999年

 世界には約9300種類もの鳥がいます。鳥たちは、一羽一羽、工夫をこらし個性的な巣を作りあげています。場所、材料、作り方・・・それぞれの知恵がつまったすてきなものです。この本は、日本で見られる身近な鳥の巣を中心に、親しみやすい絵と解説で紹介し、その多彩さを私たちに教えてくれます。
光れ!泥だんご 普通の土でのつくりかた

光れ!泥だんご
-普通の土でのつくりかた-

講談社 2001年

 子どもだけでなく、大人にだってとりこにしてしまう泥だんご。あせらず、ゆっくり時間をかけて作れば、大理石のような、つるつる、すべすべの、光る泥だんごが完成します。「これがホントに泥だんご!?」思わずびっくりしてしまう作品がいっぱいです。この本を読めば、あなたも光る泥だんご作りの名人になれます。
光れ!泥だんご -普通の土でのつくりかた-

ひとしずくの水

作/ウォルター・ウィック 訳/林田康一 あすなろ書房 1998年

 ひとしずくの水が、どのように、なぜ、水蒸気や氷・雪の姿を変えるのでしょうか?この本は、水が持つ様々な科学的な性質やその変化の瞬間を目で見てわかるように写真で写し、わかりやすい解説をつけた絵本です。水の不思議さ、おもしろさを知る一冊です。
ひとしずくの水

富士山大ばくはつ

作/かこさとし 小峰書店 1999年

 名前を聞くだけで、誰でもあの美しい姿を思い浮かべることができる「富士山」。この本は、富士山のことをわかりやすい絵と文章で紹介しています。なぜあのように美しく大きくなったのか、麓にある湖はどのようにできたのか、どんな植物が育っているのか、どんな動物が住んでいるのか、今からも噴火することがあるのか、など富士山について様々なことを知ることができます。
ぼくのコレクション -自然のなかの宝さがし-

ぼくのコレクション
-自然のなかの宝さがし-

文・絵/盛口満 福音館書店 2001年

 表紙の絵をまず見てみましょう。木の実や草の実など自然の中の宝がいっぱい。この中で、いくつのものを見たことがありますか?いくつ名前を知っていますか?この本には、いつ、どんなところで、それぞれのものを見ることができるか、詳しく書いてあります。見たことがないと思っていたものが、意外と身近にあったことを発見するでしょう。この本を見ながら、毎日学校に行く途中でたくさんの発見をしてみてください。